朝河貫一博士を冠する福島県の「米国への公費留学制度」創設記念レポート 

新年度、福島県教委による「朝河貫一博士の冠を関した奨学制度」の創設が、先の新聞報道で明らかになりました。

制度のルーツ・朝河貫一博士に関する講演会(講師:甚野尚志教授)が、令和3年11月に福島県立図書館で開催されましたので、今回の創設予定を記念し、改めてレポートいたします

 

 

甚野尚志教授講演「朝河貫一と父・正澄-『報恩之辞』にみる立子山の教育」

早稲田大学文学学術院の甚野尚志教授による講演は、令和3年11月に福島県立図書館で行われました。

講演会は福島県立図書館の主催により実施され、甚野尚志先生(福島市出身)は、
朝河博士の思想形成に父・正澄氏が与えた影響などを詳しく解説しました。

「報恩之辞」は福島市の立子山小学校で校長を30年以上にわたり務めた父・正澄氏の退職時、地域住民が感謝を込めて贈った書簡です。

住民から慕われた正澄氏の人柄や優れた文才が朝河博士に受け継がれたこと、さらには正澄氏が立子山地域へもたらした功績、貫一博士と立子山のつながりの深さについて詳しく紹介されました。

講演では1941(昭和16)年12月8日から80年となった太平洋戦争についても触れ、朝河博士が戦争回避のため昭和天皇あてのアメリカ大統領親書草案をまとめたことを紹介しました。

朝河貫一と「天皇宛大統領親書草案」へのリンクはこちら


甚野先生は「現在のコロナ禍で国際関係が揺らぐ中、平和のために尽力した博士の功績を知るのは意義深いもの」と加えました。

今回、甚野先生のご厚意により、講演会当日の貴重なパワーポイント資料をここに大公開。
ホームページをご覧の皆さん、この貴重な資料を是非ご覧になって下さい!

 

講演資料 前編】2021年11月28日・福島県立図書館(甚野教授提供)

【講演資料 中編】2021年11月28日・福島県立図書館(甚野教授提供)

【講演資料 後編】2021年11月28日・福島県立図書館(甚野教授提供)






県立図書館のロビーでは、同時開催で私どもNPOが作成した「報恩之辞」のレプリカ試作品も展示されました。講演会にはNPOからも多くのメンバーが参加し、聴講をさせていただきました。

多くのご来場者が「報恩之辞」のスケールの大きさにまず、驚かれたのようす。
同時に、朝河博士を育んだ父・正澄氏が立子山に施した教育の素晴らしさに触れ、その薫陶を受け今に引き継がれる立子山の風土にと正澄氏の教えに、改めて想いを馳せました。

☆ 『報恩之辞』 ☆

☆ 報恩之辞(読み下し文・現代語訳)☆



冒頭で紹介しました県の留学制度は、県外に住む本県ゆかりの経済人からの寄付金を財源に創設。
県内の高校を卒業後に米国の大学に留学する学生を対象とした公費留学制度とし、世界へ羽ばたく学生を経済的に支え、優れた人材を育成する、とのことです。

 

朝河貫一資料(福島県立図書館)はこちら(外部へリンク/PCサイト)

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