地域の歩みを次の世代へ~報恩之辞に学ぶ~ 

アメリカ・イエール大に保管されている『報恩之辞』を忠実に再現した複製品(レプリカ)がこのほど完成し、その初公開と早大・甚野尚志教授による記念講演会が立子山で開催されました。

甚野尚志教授講演「正澄から貫一へ『今、報恩之辞に学ぶ』」

早稲田大学文学学術院の甚野尚志教授による記念講演は、令和4年10月22日に旧立子山中体育館で行われました。

「報恩之辞」は福島市の立子山小学校で校長を30年以上にわたり務めた父・正澄氏の退職時、薫陶を受けた地域住民が感謝を込めて贈った書簡です。

甚野教授(福島市出身)は、朝河博士の思想形成に影響を与えたとされる父・正澄氏が立子山地域に施した教育、多くの功績について詳しく紹介しました。

【映像】☆甚野教授 講演(抜粋/2分54秒)☆






『報恩之辞』に感銘を受けた聴講者

今回忠実に再現された「報恩之辞」は幅21センチ、長さが15メートルの巻物です。
正澄先生への感謝の序文に続き、記念品を贈るために寄付を寄せた当時の住民853名の氏名が記されています。

甚野教授の講演を聴講した皆さんは、会場に実際に展示されたレプリカを前にして、その圧巻のスケールに改めて感銘を受けた様子でした。
そして朝河正澄先生が立子山の村民にいかに慕われ、感謝の想いが深かったかを感じ取っていました。

☆ 『報恩之辞』 ☆

☆ 報恩之辞(読み下し文・現代語訳)☆





私たちが『報恩之辞』に学び伝えること

講演会は地元立子山に住むNPOが主催し、展示とあわせ手作りで実施しました。
オープニングでは地元の子どもたちが、元気な太鼓で会場を盛り上げてくれました!

【映像】☆子どもたちの太鼓(抜粋/60秒)☆

「報恩之辞」には私どもNPO会員、そして演奏してくれた子どもたちの先祖の名前が克明に記されています。

甚野教授が講演で紹介された「新たなコミュニティづくりを進めたり、新しい文化を創造していくことは、地域の伝統・過去の地域のみんなの力を再認識、再解釈して発信すること」を心に秘め、「報恩之辞」に込められた想いを子どもたちと後世に継承し、次の世代がより良い地域づくりをする礎としていきたいと思います。





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